教員によるフィールドスタディ報告:大村 真樹子
2019年度フィールドスタディA:ハワイの環境問題
「8回目のハワイでのフィールドスタディ」
今回のフィールドスタディAは14日間の日程でハワイで実施された。私にとっては2年ぶりのハワイでのフィールドスタディであるが、5名と少ない参加者ではあったものの、今回初めて海外に行く学生や、ハワイにゆかりのある学生もいて、それぞれが多様な経験をしたようである。
これまでのフィールドスタディは、自身で数ヶ月前から各教員に講義依頼をし、スケジュールを調整をしたり、ロジスティックを現地コーディネーターの先生や助手の方とともに調整していた。しかし、今回は初めて、経済学部も所属するハワイ大学社会学カレッジに新たにできたサポート体制を利用する形での実施となり、個人的には今までとはかなり異なる経験であった。学生の方は、これまでのワイキキのコンドミニアム滞在とは異なり、初めてハワイ大学の学生寮に滞在するという、より現地の学生に近い体験ができる機会となった。
ハワイ大学のアレンジで、今回は同時期にハワイ大学に短期留学に来ていた東北大学の学生たちと一緒に活動をする機会もあり、一緒にフラダンスを練習したり、ちょっとしたパーティーに参加するなどした。東北大学は引率教員はいなく、学生のみでハワイに来ており、非常に活発でたくましさが感じられた。学生たちにとり、お互い良い刺激になったと思われる。
今回も短い英語講座の後、環境資源経済から生物種問題等の多岐にわたる講義を受け、様々な視察を実施した。カラエロア保全地区やライオン植物園でハワイ固有種やその保全活動に関して学び、ハナウマ湾では観光と環境の両立の難しさを学び、海洋生物研究所では環境保全の体験もした。また、今回で2回目となるイルカと泳ぐツアーに参加し、学生たちにとっても想い出深い、貴重な動植物と直に交わる体験ができたのではないだろうか。この他、前回に続き、再生可能エネルギ−100%達成に向け貢献するオアフ島最大の太陽光発電を視察し、そして今回初めて、ごみ焼却施設を視察することができた。ガラス越しの間近で、ゴミの山を操作し分別していく様子や方法を学ぶことができ興味深かった。観光客が多く廃棄物量も多いが土地は狭く、温室効果ガスゼロ排出の目標を掲げるハワイにおいて、ゴミをできるだけ効率的にエネルギーに変える取り組みが重要性であることは間違いない。
今年も大きなトラブルもなく、学生たちは授業・実習内外でできるだけ英語で会話をするよう進んで頑張っていた。最後の報告会では、各学生は英語で自身の研究テーマの結果を、ハワイ大学の先生方や、現地でサポートしてくださった助手の皆さんの前で発表した。それぞれハワイで学んだことを踏まえた良い発表で、様々なフィードバックも頂けて大変有意義であった。
学生たちの努力を褒めるとともに、今回のフィールドスタディに協力して下さった全ての方々に感謝を申し上げたい。